30秒でわかる!この記事のポイント(Key Takeaways)
【SNSの噂の真相】「糸リフトを入れたら顔が横に大きくなった・エラが張った」と感じる最大の原因は、引き上げる「角度(ベクター)」の設計ミスです。斜め上や真横に引っ張りすぎると、頬骨の上に脂肪が溜まって顔が大きく見えてしまいます。
【「すぐ戻る・金の無駄」と言われる理由】 脂肪の重みに対して「糸の本数が少なすぎる(片側2本など)」場合や、トゲ(コグ)が弱い簡易な糸を使っていると、数週間〜1ヶ月で組織が外れて後戻りしてしまいます。
【失敗しない解決策】 組織を強力に面で固定する最新吸収糸「ワンダートリプル」や、伸縮性があり表情にしなやかに馴染む非吸収糸「スプリングスレッド」を骨格に合わせて選ぶことで、不自然なひきつれのない自然な卵型の輪郭が長期間持続します。
執筆・監修: アトラクレアビューティークリニック新宿 院長 佐藤 光(元・脳神経外科専門医・医学博士)
糸リフトに興味はあるけれど、SNSの口コミで不安になっていませんか?

「ほうれい線や口元のたるみを引き上げたいけれど、SNSで『糸リフトで顔が大きくなった』という投稿を見て怖くなった…」
「『糸リフトは1ヶ月ですぐ戻るから金の無駄』って本当?」
「何本入れるのが正解なの?何歳から受けるべき?」
20代後半から50代にかけて、フェイスラインや口横のもたつき(ジョウルファット・マリオネットライン)に悩む多くの方が、このような疑問や不安を抱えています。
実は、SNSで見かける「糸リフトの失敗談」のほとんどは、糸リフトという施術そのものの限界ではなく、「引き上げる角度(ベクター)の誤り」「糸の挿入層のズレ」「脂肪の重みに対する本数・強度の不足」という、明確な解剖学的エラーによって引き起こされています。
たるみの正体:下垂した脂肪と「テントのロープ」の緩み
私たちの顔は、外側から順に重なり合う5つの層(ミルフィーユ構造)で支えられています。
- 第1層:皮膚(表皮・真皮):肌のキメや弾力を司る
- 第2層:浅層脂肪層(皮下脂肪):ふっくらとした若々しい丸みを作る
- 第3層:SMAS層(表在性筋膜):表情筋と連動し、お顔全体を面で支える膜
- 第4層:深層脂肪層・支持靭帯(リガメント):骨と筋膜・皮膚を強固につなぐ「固定ロープ」
- 第5層:骨膜・骨:すべての土台となる顔面骨
お顔の若々しさを保つ構造は、よく「キャンプのテント」に例えられます。
骨が「支柱」、リガメント(靭帯)が地面に打ち込まれた「固定ロープ」、SMAS筋膜が「インナーネット」、そして皮膚や脂肪が「外側のテント生地」です。
加齢に伴って固定ロープ(リガメント)が引き伸ばされて緩むと、支えを失った皮下脂肪(メーラーファットやバッカルファット)が重力に抗えずに雪崩のように滑り落ちてきます。これが、ほうれい線の上に重い脂肪が乗り、口横にぽっこりとしたもたつきが出現する根本原因です。
糸リフトは、この「滑り落ちてしまった脂肪を、本来あった高い位置(チークトップ)へと持ち上げて再固定する治療」なのです。
治療の解剖学的アプローチと糸・リフトの徹底比較

糸リフトで理想のフェイスラインを作るためには、患者様のお顔の脂肪量・皮膚の厚み・たるみの重症度に合わせて適切なスレッドを選択することが不可欠です。
| 比較項目 | ワンダートリプル(wonder triple) | スプリングスレッド(Spring Thread) | 一般的な従来型簡易スレッド(PDOカット糸) | 切開フェイスリフト |
|---|---|---|---|---|
| 糸の素材 | 吸収性(PDO素材) | 非吸収性(高弾性シリコン+ポリエステル) | 吸収性(一般的なPDO素材) | 縫合糸による筋膜固定+余剰皮膚切除 |
| コグ(トゲ)の形状 | 3方向立体的成型モールドコグ | 丸みを帯びた柔軟なシリコン製コグ | 糸に切り込みを入れただけのカットコグ | ― |
| 固定力・組織把持力 | ★★★★☆(全方位で組織を面固定) | ★★★★☆(強固で安定した牽引) | ★★☆☆☆(トゲが倒れやすく外れやすい) | ★★★★★(解剖学的根本リセット) |
| 表情への追従性 | 良好(組織の癒着で自然にリフト) | ★★★★★(筋肉の動きに合わせて伸縮) | ★☆☆☆☆(表情の動きでプチッと切れやすい) | 良好(熟練医の手術による) |
| 持続期間の目安 | 約1.5〜2年(吸収後もコラーゲン線維残存) | 数年〜長期(半永久的な支持性) | 約6ヶ月〜1年(早期に戻りを感じやすい) | 5〜10年 |
| 痛みの配慮・麻酔 | 局所麻酔 | 局所麻酔+強力な鎮痛薬対応 | 局所麻酔 | 静脈麻酔・全身麻酔 |
| 向いているお悩み | 20〜40代のシャープなVライン形成、コラーゲン貯金 | 40〜60代の重い口元下垂、長期間キープしたい方 | 軽度の引き締め | 重度のたるみ、皮膚の余剰が大きい方 |
① 最新強力吸収糸「ワンダートリプル」の強み
従来の糸は「細い糸の側面に切り込み(カット)を入れたもの」が多く、強い負荷がかかるとトゲが簡単に折れて組織から外れてしまうという弱点がありました。
ワンダートリプルは型枠で作られた強靭な3Dモールドコグが全方位に配置されており、下垂した脂肪体を面でしっかりとキャッチします。1本の長さも通常のものより長く、その全てを挿入し、3方向からなる糸のベクトルが固定力と引き上げ力をそれぞれ発揮する為、1本で3本分の効果と形容されることがあります。
さらに、糸が体内に吸収される過程で自己のコラーゲン線維(Type I/III)が高密度に作られるため、糸が溶けた後もたるみにくい土台を残す「コラーゲン貯金」が可能です。
② 究極の持続力としなやかさ「スプリングスレッド」の強み
スプリングスレッドは、伸縮性を持つ特殊シリコンとポリエステルで構成された非吸収糸です。最大の特徴は、「ゴムのように伸び縮みするため、表情を動かしてもつっぱり感や痛みがなく極めて自然」である点です。
口元を大きく動かしても糸に無理な負荷がかからず、体内に吸収されないため、脂肪の重みが強い方でも数年にわたってリフトアップをキープできます。
学術的エビデンス・臨床データの検証

引用文献・臨床エビデンス
論文タイトル: Outcomes in thread lift for facial rejuvenation: a study of 100 patients.
著者: Savoia A, Accardo C, Vannini F, Di Pasquale B, Baldi A.
掲載誌・発行年: Dermatol Ther (Heidelb), 2014; 4(1): 103-114.
DOI / PubMed ID: https://doi.org/10.1007/s13555-014-0050-3 (PMID: 24748430)
【研究の要点・結論】
吸収性スレッドを用いた顔面リフトアップ治療を受けた100名の患者を対象とした前向き臨床研究。術直後から全例で確実なリフトアップ効果が確認され、生検組織の病理組織学的検査において、糸の周囲に顕著な線維芽細胞の集積、新生血管の形成、およびType I/IIIコラーゲン線維の高密度な沈着が確認された。1年経過後も高い患者満足度が維持された。
【解剖学・機序への示唆】
糸リフトは単に「物理的に引っ張る」だけではありません。皮下組織内で持続的な創傷治癒反応(リモデリング)を引き起こし、組織の結合力を強化します。これにより、糸が体内に吸収された後も組織の下垂を食い止める解剖学的根拠となっています。
専門医による臨床考察(Expert Clinical Perspective)

なぜ「顔が大きくなる」「すぐ戻る」という失敗が起きるのか?
SNSで話題になる「失敗談」には、解剖学的に明確な3つの原因があります。
- 引き上げる角度(ベクター)の誤り(=顔が大きくなる原因):
フェイスラインをすっきりさせたいからと、糸を真横や耳の真上に向かって強く引っ張ると、移動した脂肪が頬骨(外側)の上に溜まってしまいます。その結果、正面から見たときに頬骨が張り出し、かえって顔が横に大きく見えてしまうのです。自然な卵型を作るためには、お顔の内側の立体感を意識した「斜め上方の解剖学的リガメントライン」に沿ったベクター設計が必須です。 - 本数の妥協(=すぐ戻る原因):
「片側2本(計4本)」などの少なすぎる本数で脂肪の重みを支えようとすると、1本の糸にかかる負担が過大になり、表情を動かした拍子に組織からトゲが外れてしまいます。脂肪をしっかりと支えて長持ちさせるためには、片側4〜6本(計8〜12本)を用いて「面」として均等に荷重を分散させることが医学的に理にかなっています。 - 挿入する深さのズレ:
皮膚のすぐ下(浅すぎる層)に糸を通すと、引きつれや皮膚の凸凹(ディンプル)、糸の露出を招きます。逆に深すぎると顔面神経や血管を傷つける恐れがあります。
当院のアプローチ:脳神経外科20年の解剖技術とタイムパフォーマンスへの配慮
当院院長の佐藤光は、脳神経外科専門医として神の手と称される福島孝徳医師に師事し、頭蓋底手術(ミリ単位の血管・神経を扱う精密手術)を20年間執刀してきました。
安全な滑走層(SMAS直上)へのミリ単位の精密留置
顔面神経や主要血管の走行を完全に把握しているため、腫れや内出血を最小限に抑え、神経損傷のリスクを回避します。
痛みの管理と患者様の時間の尊重
当院では、長時間待つことになる麻酔クリームのために患者様の貴重な休日の時間を奪わないよう配慮しています。痛みを最小限に抑える施術手技に加え、痛みに不安な方には非常に強力な鎮痛薬(ジャーナバックス等)のご用意もあります。
無針水光注射「シナージェット」や切開リフトとの複合提案
糸リフトだけでなく、皮膚表層のハリ不足には痛みを抑えた無針水光注射「シナージェット」を、重度のたるみには切開リフト(MACSリフト等)まで最高水準で提供できるため、無理に糸リフトだけで解決しようとしない中立的な診断を行います。
リスク・合併症および注意点

腫れ・むくみ・内出血
術後2〜3日をピークに、通常1〜2週間程度で自然に落ち着きます。内出血が出た場合でも、メイクやコンシーラーでカバー可能です。
突っ張り感・口の開けにくさ
糸が組織に馴染むまでの2〜3週間は、大きく口を開けたり硬いものを噛んだ際に引っ張られるような違和感を感じることがあります。
感染・糸の露出
極めて稀ですが、針穴からの細菌感染や糸の先端が触れるリスクがあります。異常を感じた場合は速やかに処置を行います。
【まとめ】失敗しない糸リフトは「解剖学的なデザイン」から

糸リフトは、適切な種類の糸を選び、骨格に合わせた角度と深さに正しく留置すれば、「顔が大きくなる」「すぐ戻る」といった失敗を防ぎ、誰にも気づかれないほど自然に数年前のフェイスラインを取り戻すことができる非常に安全で効果的な治療です。
「私の顔には何本必要なの?」「溶ける糸と溶けない糸、どちらが向いている?」と迷われている方は、ぜひ一度当院の無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)

Q1. 糸リフトを入れると本当に顔が大きくなりますか?
- 【結論】正しい角度(ベクター)で挿入すれば、顔が大きくなることはありません。
顔が大きく見えるのは、引き上げる方向を真上にしすぎて頬骨の上に脂肪が溜まってしまう「デザインの誤り」が原因です。当院では解剖学的知見に基づき、下垂した脂肪をチークトップ(本来の斜め上方)へ自然に戻すため、横に広がることなくシャープな卵型の小顔効果が得られます。無理をして引き上げるのではなく、下垂した脂肪を元の位置に戻す”リポジションリフト™️”というコンセプトで糸リフトのデザインを作れば顔が大きくなるというリスクが抑えられます。
Q2. 糸リフトは何本入れるのが正解ですか?4本では足りませんか?
- 【結論】しっかりとしたリフトアップと持続性を求める場合、片側4〜6本(合計8〜12本)が標準的な適正本数です。
片側2本(計4本)などの少ない本数では、脂肪の重みを支えきれずに早期に後戻りしてしまうリスクが高くなります。複数本の糸を放射状または平行に配置して「面」で重みを分散して支えることで、自然な仕上がりと長期的な持続が可能になります。
Q3. 糸リフトの施術は痛いですか?ダウンタイムはどのくらいですか?
- 【結論】局所麻酔を行うため施術中の痛みはほとんどありません。ダウンタイムは1〜2週間程度です。
当院では痛みを最小限に抑える丁寧な手技を徹底しており、痛みに不安な方には非常に強力な鎮痛薬(ジャーナバックス等)のご用意もあります。術後の腫れや内出血は1〜2週間で落ち着き、翌日からメイクや日常生活が可能です。
Q4. 溶ける糸(ワンダートリプル)と溶けない糸(スプリングスレッド)はどう使い分けますか?
- 【結論】「自然なリフトと将来のたるみ予防」にはワンダートリプル、「重い口元のたるみを数年単位でキープしたい方」にはスプリングスレッドが適しています。
ワンダートリプルは体内で溶けながらコラーゲンを生成するため20〜40代の予防・形成に最適です。一方、スプリングスレッドは伸縮性があり表情の動きを邪魔せず長期間支え続けるため、40代以降のしっかりした下垂改善に最適です。
参考文献・学術論文(References)
- Savoia A, Accardo C, Vannini F, Di Pasquale B, Baldi A. Outcomes in thread lift for facial rejuvenation: a study of 100 patients. Dermatol Ther (Heidelb). 2014;4(1):103-114. https://doi.org/10.1007/s13555-014-0050-3
- Mendelson BC, Wong CH. Changes in the facial skeleton with aging: implications and clinical applications in facial rejuvenation. Aesthetic Plast Surg. 2012;36(4):753-760. https://doi.org/10.1007/s00266-012-9904-0
- Rohrich RJ, Pessa JE. The retaining ligaments of the face: review of anatomy and clinical applications. Plast Reconstr Surg. 2012;130(3):403e-414e. https://doi.org/10.1097/PRS.0b013e31825dc639
執筆・監修者プロフィール&当院について

執筆・監修医師: 佐藤 光(さとう ひかり)
役職・所属: アトラクレアビューティークリニック新宿 院長
経歴・専門: 元・脳神経外科専門医として神の手と称される福島孝徳医師に師事し、頭蓋底手術を専門として20年の臨床経験。美容外科医へ転身後は顔面解剖学および組織再生の知見に基づく精密な多層アプローチを提唱。再生医療の研究で博士号を取得し、米国Duke大学2年間の留学で解剖を学ぶ。論文掲載や米国の教科書執筆もあり。
電話番号: 03-6273-6255
住所: Place 東京都渋谷区代々木2-7-5 EX-SIDE 南新宿6F
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